薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。
近藤 誠/文春文庫
1996年に刊行されて話題を呼んだ書が文庫本になった。日本のがん治療は、欧米で の標準治療さえ行わないままに新薬を使用する現状がまだまだある。日本では、3人に1 人が「がん=怖い病気」と思っているという。そして「がんと闘う」ことが、当然である ようにマスメディアや書物でも訴える。しかし、実は、抗がん剤の副作用や手術の合併症 や後遺症と闘っているだけなのかもしれない。
「がん検診は百害あって一利なし」なのか。「がん」「がんもどき」との違いは? が んと診断されたときに、どうするべきか。患者自身が、がん治療を選択するための必読書 ではないかと思う。
初めて刊行されてから約6年経って、少しずつ、がん治療の現場に変化の兆しが見える ものの、まだまだ変わらない現状も、追記にて詳細に語られている。(ち)
■文庫版303ページ/¥514 (税別)
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