薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。
大野明子編著/メディカ出版
技術本位ではない情報、出生前診断を是としない情報を障害を持つ可能性のある子を産むお母さんに届けたかった、大丈夫ですよと教えてさしあげたい、と産科医である著者は言います。著者の診療所で生まれたダウン症の女児の成長を追う語りと写真を軸に、ダウン症の子を持った親たちの座談会や、臨床遺伝医長谷川知子さんへのインタビューなどで本書は構成されています。臨床遺伝医という存在を不明にして知りませんでしたので、長谷川さんのお話は、わたしにとって示唆に富むことだらけでした。たとえば、「出生前診断とは、生まれる前に親が、もううちの子じゃないよ、と言うことと同じ。つまり胎児虐待です」。生まれて生きている、そのことに感謝する気持ちになる本です。(さ)
■A5版:209ページ/¥1,800 (税別)
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