書評コーナー

薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌19号より

数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活

ゲルト・ギーゲレンツアー　著　吉田利子訳/早川書房

副題に“病院や裁判で統計にだまされないために”とある。まさしくその通りの内容である。この本を読まずして病院にかかるというのは、まさしく危険である。この本のなかで繰り返し強調されるのは、ベンジャミン・フランクリンの格言“死と税金のほかには、確実なものは何もない”である。この本を読めば、乳がん検診を受けること、前立腺がん検診を受けることがいかに危険か、がわかる。そのような危険性を指摘するだけでなく、“問題を解決するとは、解決方法が見える形で問題を提示するということである”（HA・サイモン）を実践してくれる。％表示ではなく、頻度で表示することで誤解を避けられるのである（ベイズの定理）。中学校での必修図書としたいくらいだ。（き）

■324ページ／￥1,900 （税別）

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