薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。
ナオミ・フェイル著/藤沢嘉勝監訳/篠崎人理・高橋誠一訳/筒井書房
「バリデーションと」は、昨年までは痴呆症と呼ばれていた認知症を生きる人々との付き合い方の理論であり、方法であり、関わり方であるが、お年よりが死を迎えるために成し遂げていないことを解決する必要があるという理論であると、著者は言っています。 それは単なる「技法」ではなく、人間理解の哲学であります。
1963年、ソーシャル・ワーカーのナオミ・フェイルは、その幼少時を過ごしたアメリカのナーシング・ホーム(日本の特別養護老人ホームにあたる)での認知症患者の扱いに驚きました。その想像を絶する逆境の中で人間として必死に生きようとしている人々を支えなければならないと思いました。その思いが結実したのが「バリエーション」です。
認知症を病む人々は決してからっぽになるのではないという捉え方と、かれらの混乱、不安、苦悩に共感しようとするものです。 現在、北欧、オーストラリアをはじめ、全世界で実践されている「バリデーション」が、日本にも根付いてほしいと願います。(は)
■319ページ:21cm /¥2,500 (税別)
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