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書評コーナー

「薬のチェックは命のチェック」で取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌24号より

京都ジフテリア予防接種禍事件 69人目の犠牲者

田井中克人著/新風舎

京都ジフテリア予防接種禍事件 69人目の犠牲者

事件はGHQ占領下の1948(昭和23)年11月、京都で起きました。ジフテリア予防接種の副作用で幼い子どもたちが亡くなりました。死亡者リストの年齢の欄に「2」がずらっと並んでいます。当時はまだ数えで歳を言っていましたから、この子たちは満1歳です。病気を予防するはずの接種なのに、なぜこんな理不尽なことになったのか。丹念に遺族を捜し当て、話を聞く過程で事件の真相に近づいたと思うと、またふいに闇が迫ってくる。もはや事件から60年近い歳月が経ち、遺族である親も被告であった人々も亡くなっていく。いつの日かすべてが明るみに出ることがあるのだろうか? 筆者は今も真相を求め続けています。

行政に反省が全く見られないこと、行政が自己のミスを隠蔽しようとするさまなど、その後の薬害に共通する問題そのものであり、薬害第一号といえます。これをうまく乗り切ったことが国のその後の薬事行政の怠慢と傲慢を生んだのかもしれません。(さ)


■ 文庫319P/¥ 800 (税別)

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