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書評コーナー

季刊誌34号より

たった一人で国・薬害裁判に勝つ

たった一人で国・薬害裁判に勝つ

福田 実著/日本評論社
 ■13.5×19.5cm 262頁/価格1700円(税別)


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浜さんの著書「下げたら、あかん! コレストロールと血圧」や「脱メタボに騙されるな!」などで “健康な営業マンが余計な服薬で障害者に”と紹介されている福田実氏自身の著作。「私は薬に殺される」(幻冬舎)に続く第2弾の 闘病記兼裁判闘争記である。

彼は32歳の時の健診で総コレステロール値が高い(250台)ことを指摘され、2種類のコレステロール低下剤を服用し始める。 そのうちに歩行障害、排尿障害などが出現し、ついに退職に追い込まれてしまう。自身で勉強し、自分の身に起きているさまざまな 症状は薬害であると確信し、医薬品副作用被害救済の申請をするが却下され、医薬品医療機器総合機構を相手に裁判を起こす。 その過程で、本誌編集委員の別府(神経内科医)、浜(薬剤に詳しい内科医)、木元(泌尿器科医)の3人がそれぞれの 専門的立場から鑑定意見書を書き、2008年5月22日に東京地裁で勝訴した。しかし、被告側が控訴し裁判は進行中である。 時系列に記載されている症状と裁判の過程は、コレステロール低下剤の副作用の怖さと医薬品副作用被害救済制度の精神を無視する 役人の醜さを描き出している(き)