臼田篤伸(著)/ポプラ社
■12×19cm 229頁/価格1200円(税別)
朝目が覚めたときに、喉が痛い、頭が重い。「かぜを引いたのかな?」と、 かぜの始まりを起床時に感じる人は案外多いでしょう。それはかぜ症状の多くが眠っている夜間に進行するため、と 著者の臼田さんは説明します。自律神経のうち、夜は副交感神経が優位となること(体温は下がり、血圧も下がり、 脈はゆるくなり、というように無防備な状態になる)も、夜間にかぜ症状が進行することを裏付けるといいます。
となると、うがいも手洗いもかぜの予防には役立ちません。そこで臼田さんの勧める「ぬれマスク」です。 市販の木綿のマスクの上方3分の1を折り返し、その部分を濡らして口にかけて眠るだけ。 それによって害の多い睡眠時の口呼吸を避け、上気道に十分な潤った酸素が送られます。
しかし、「ぬれマスク」が万能だと臼田さんは言いません。「軽いかぜはときどきひいたほうがむしろいい」。 人間の体に備わる免疫機能を高めること、大切にすることを説いています。これ以外にも、 ステロイド漬け医療の惨状、タミフル薬害の悲劇など、「薬のチェック」の読者なら、 読んでみたくなる記事がたくさんあります。(み)