■大田 堯(おおたたかし)/偕成社
■ISBN-10: 403808230X
■ISBN-13: 978-4038082306
■20cm x 14cm 190頁 価格1200円(税別)
本当は大田さんの著書以上に、各地で自主上映の始まったドキュメント映画「かすかな光へ」を紹介したい。 題名は谷川俊太郎の「かすかな光へ」という詩からとってある。映画は、谷川さんの朗読から始まり、教育者として生きた 大田氏の歩んだ道と夢をおいかける。
「ふと我に返ると、現実は無機物に囲い込まれた荒涼たる世界を、愛に飢えた人影がバラバラに生きている。 そういう風景が幻のように見えるのです。私はその現実の中に垣間見えるかすかな光への道を手さぐりで求めようとしました。 それは夢のようなもの、憧れに過ぎないのかもしれません。でも、そのあこがれ、夢なしにはどう生きるかの手がかりを 見出すことはできないのです(大田氏)」
大田氏は東京大学名誉教授他、教育界で頂点を務められた経歴のある方で多くの著書がある。 本書は若い人からの質問に答える形で、大田氏が自分の人生を振返りながら「生きる」ことの意味を優しく語る一冊。 「違ってもいいのではない、ちがうのだ」と大田氏はいう。
物の豊かな社会で生きていくことが難しいことを知るあなたにすすめたい。(す)