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書評コーナー

季刊誌48号より

コレステロールは高いほうが長生きする

コレステロールは高いほうが長生きする

■浜崎 智仁 著/エール出版社
 ■ISBN-10: 4753922960
 ■ISBN-13: 978-4753922963
 ■18.8 x 13.6 x 1.6 cm 186頁 価格1500円(税別)


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日本動脈硬化学会が高コレステロールの診断基準を、総コレステロール220からLDLコレステロール (いわゆる悪玉)値140に設定し直したのが2007年。本書の出版されたのは2003年11月。「コレステロールは低い方がよい」 との通説に、比較的早い時期に、アンチテーゼを投げかけた意欲的な書です。

そもそもコレステロール危険説はどこから出たのでしょうか?1987年の厚生省(当時)の班会議報告書に、 コレステロールが高いほど冠動脈疾患になりやすいことが「一目瞭然」な図があると著者は指摘します。 しかしこのデータには、家族性高脂血症(遺伝性疾患で極端にコレステロール値が高く心筋梗塞を起こしやすい)の人が 通常の20倍近く多く含まれており、これを一般の人に当てはめることはできないのです。 にもかかわらず、このデータは総コレステロール値と冠動脈疾患の危険性を証明する他の非科学的なデータと組み合わされ、 多くの医療関係者がコレステロールの危険性を確信していきました。

「かくいう筆者もその中の一人」と率直に語ります。上記以外に、食事や薬剤も含め、 低コレステロールの弊害がわかりやすくまとめられています。(み)