■萩尾 望都 著/小学館
■ISBN-10: 4091791352
■ISBN-13: 978-4091791351
■ 21.2 x 15.4 x 2 cm 153頁 価格1143円(税別)
白い表紙カバーに描かれているのは、手動種まき器を回しているチェルノブイリの少女と種から生まれる菜の花。
帯に作者の言葉があります。−「あの日」から、私は胸のザワザワが止まらなくなった。 今は、きれいで美しいものは描けないと思った」ーでも、その後、チェルノブイリでは、土壌をきれいにするために、 なのはなや麦を植えている、ということを知り、福島でもあちこちで土をきれいにするための、植物を植える試みが始まっていることを知ったそうです。
本書には5つの話があります。最初と最後は、チェルノブイリや福島のなのはなの話。中の3つは、 原子力が主人公。プルート夫人(プルトニウム)やウラノス伯爵(ウラン)、サロメ(プルトニウムの娘)と擬人化し、 その奇蹟のような美しさや巧みな言葉や賢さに人々が魅了され、のめりこみ、その危うさ、怖さを知っても、手放せない、 抱きしめてしまうさまを描いています。
チェルノブイリや福島で起きたことが、再び世界のどこかで起きないように、この地球を次の世代へバトンタッチするために、 私たちにできることは何があるのだろう? 本書はすこおし、希望をもたらしてくれると思います。(さ)