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書評コーナー

季刊誌50号より

発達障害と呼ばないで

発達障害と呼ばないで

■岡田 尊司 著 /幻冬舎
 ■ISBN-10: 4344982681
 ■ISBN-13: 978-4344982680
 ■17.2 x 11 x 2.2 cm 266頁 価格800円(税別)


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「発達障害」という子供時代の「ちょっと変わった行動」を指す言葉、についていろいろを教えてくれる一冊です。 「発達障害というネガティブな十字架から、生涯を背負わされた子供やその家族を解放すること」を願って書かれました。 京都医療少年院に勤務する著者の子供たちへの愛情を本の随所に感じます。

天才といわれた偉人たちも、子供時代には発達障害と同じ行動をとっているが、母親(または身近な大人)が、 愛情をもって接することで、才能を開花した実例が多く紹介されています。子供の多様性を暖かい眼差しで見守っていれば、 現在発達障害とラベリングされた子供たちも社会に適応し、生長し、もしかしたら人類の幸福に多大な貢献する人物に なる可能性も秘めているらしい。

「本来、子供の発達や生長というものは、一様なものではない」当たり前のことを許さない日本の社会、 教育システムの頑なさが、子供たちの生長を妨げる原因の一つでもあると著者は指摘します。 今後、日本は多様性を受けいれ個性を伸ばす社会にかわっていくのでしょうか?子育てにかかわる皆さんに、 子供への深い愛情を間違わずに伝えることのできるよう、お勧めしたい一冊です。(す)