(2005.11.18号)

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No61

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(2007.3.2号) 『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No77
「薬のチェック」の緊急警告!


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タミフルで異常行動から事故死、突然死
関連を示す10の理由
熱が下がりタミフルだけ飲んだ子が異常行動後に事故死した!
だから、専門家のいう「熱」や「他の薬」は無関係! ほか

インフルエンザは「かぜ」の一種

インフルエンザにかかれば暖かくしてよく寝ること
タミフル・抗炎症解熱剤も不要 頭痛時アセトアミノフェン少量程度は可

NPO法人医薬ビジランスセンター  浜  六郎

私たちは、薬の効果と害のバランスをいつもみてその評価をしています。タミフルについても、2003年に検討した結果を『薬のチェックは命のチェック』誌(No12)TIP誌(2003年11月号)に載せました。喘息をもった小児には効果がありません。大人でもA 香港型には効果が有りません(今年はB型にも効果が有りませんでしたし、今年の検討では、予防効果もありませんでした)。

そのうえ、昨年(2004年1月)メーカー自身が1歳未満に使わないでとの警告を出しています。相当な根拠があってのことだろうと、その意味を調べている途中で、林敬次医師(当センター理事の小児科)が塩見論文を紹介してくれました。その論文には、タミフル服用後に幼児が何人も睡眠中に突然死亡していたのです。当センター発行の『薬のチェックは命のチェック』No12改訂版TIP誌(2005年2月号)に記事を書いたところ、その後、異常行動後事故死した中高生2人と睡眠中に突然死した2歳の子の遺族から相談を受けました。意見書を書くとともに今年11月12日、三重県津市で開かれた小児感染症学会で発表したところ、大きな反響がありました。

しかし、同学会に来ていた権威筋の専門家は会場でマスメディアに対して「発熱や他の薬の影響なども考える必要があり、副作用と判断するには科学的根拠が薄い」と釘を刺す発言をしていました。このような考えは間違いです。

なぜなら、異常行動例は、熱が下がってきてから起きていますし、タミフルだけしか服用していなくて異常行動を起こしている子もいるからです。それよりも、もっと確実な関連があります。この点について、考えてみたいと思います。

新型脳症が小児用タミフル発売後の冬から発生

異常行動と睡眠中の突然死とは、たいていの方はまったく違う副作用と思われるでしょう。ところが、薬理(中毒)作用からみると一連のものなのです。まず、一番重い呼吸抑制によると思われる睡眠時の突然死とタミフル服用との関連についてみてみます。

  1. 以前に問題となっていたインフルエンザ脳症で死ぬような重症例の大部分は 非ステロイド抗炎症剤を解熱剤として使用した場合に生じている(a)。 非ステロイド抗炎症剤をほとんど使用しなくなって以降は、 死亡するような脳症は激減してきました。 代わりに、テオフィリンや抗ヒスタミン剤で重いけいれん(b,c)、 抗ヒスタミン剤と去痰剤で低血糖からけいれんを起こして 重症の身体障害・知的障害を残す例(d,e)など、 非ステロイド抗炎症剤が関係していない例の割合が高くなってきています。
  2. 従来、死亡するインフルエンザ脳症は、様子がおかしいので病院へ連れて行っていろいろ医療行為をしたにも関わらずだんだんと意識状態が悪くなり昏睡状態に陥り、亡くなるまでに半日から1日はかかっています。ところが、今回の死亡例は10分から1時間くらいで突然呼吸が止まって亡くなっている。この点が従来のインフルエンザ脳症死亡例と全く異なります。だからこそ新型脳症と言われるのです。
  3. 2002年7月幼児用シロップが発売された、まさにその冬から新型脳症が報告されたことも、タミフルとの関連を強く示している理由です。

突然死は動物実験で確認済み

  1. しかも、突然死が動物実験で証明されているという事実です。赤ちゃんラットに1回投与後10分〜7時間後に死亡しました。ヒトでもタミフルを服用して突然死した6人中6人とも1回目のタミフル服用後2時間〜数時間以内に睡眠中あるいは呼吸異常で死亡しているので、そっくりです。したがって、動物実験で再現されているといえます。
  2. 赤ちゃんラットの死亡は、脳内に大量のタミフル(成長ラットの3000倍)が移行し、呼吸が止まる結果であり、ヒト換算で、たかだか26倍超〜40倍程。この程度の違いなら、個人差を考えればヒトでも起こりうると考えるべきものです。
  3. 成熟していても、インフルエンザに罹ればタミフルが脳内に移行しやすくなるし、タミフル自体が脳圧を亢進することがあるというデータがあります(予防使用した5か月乳児の大泉門が膨隆など)。

異常行動と呼吸抑制・突然死は同じ作用(脳抑制作用)からくる

  1. 熱せん妄(高熱が出ている時にうわごとや異常行動をする)は、文字通り高熱の時に出ます。厚労省の副作用報告例や14歳の子は、熱が下がってきてから異常行動を起こしていますので、熱せん妄でないことは明らかです。
  2. 高熱でない子どもにも起きるということは、そこに熱が加われば、一層起こしやすくなります。したがって、熱がある時に異常行動が起きた例でもタミフルの関与を否定する根拠にはなりません。
  3. 熱もなく、タミフルだけしか服用していなくて異常行動を起こしている子が何人かいますので、タミフル以外の薬剤による副作用ではありません。そして他の薬剤が併用されていてもタミフルの関与を否定する根拠にはなりません。
  4. 脳を抑制する物質(アルコールや睡眠剤、鎮静剤、麻酔剤など)は、人によっては異常に興奮し暴れたりすることがありますし、大量使えば呼吸が止まって死にます。タミフル服用後の異常行動と睡眠中の突然死という一見異なる反応は、同じ薬理(毒性)作用の異なる面ということです。

以上のような多くの理由から、専門家が言う熱や他の薬剤というのはタミフルとの関連を否定する根拠にはなりません。

怖いといわれるインフルエンザ脳症は、いずれも解熱剤や抗ヒスタミン剤などで起きています。インフルエンザは薬を使わなければ必ず自然に治まり何も怖くないふつうのかぜなのです。インフルエンザやかぜにかかれば、ともかく暖かくして体を休めましょう。

詳しくは、『TIP誌』2005年2月号『薬のチェックは命のチェック』12号改訂増補版。『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No49(2005.3.1)No59 (2005.11.13)を参照してください。その後にも続々と同じようなことを経験したとの情報が寄せられています。もしも、同じようなことを経験された方は、メールもしくは、お電話(06-6771-6345)もしくはFAX(06-6771-6347)まで、ご一報ください。


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