目 次

【A.調査研究方法】

〔A-1〕文献調査方法

 〔1〕 systematic reviewの検索

 〔2〕個々の論文の検索

〔A−2〕フッ素の生体に対する基本的な性質および動物での毒性試験について

〔A−3〕systematic review で取り上げられた論文の証拠力評価方法に関する検討

〔A−4〕フッ素の基本的な性質と有効性(efficacy) 、危険性の評価について

〔A−5〕主要な文献検索結果

 〔1〕 systematic reviewの検索結果

 〔2〕個々のオリジナル文献

 〔3〕 systematic reviewが存在しない場合

【B.調査結果】

【Bー1】フッ素の生体に対する基本的な性質および動物での毒性試験について

 〔1〕フッ素の生体に対する基本的な性質について

 〔2〕フッ素の急性毒性(毒性試験より)

 〔3〕フッ素の生体内酵素系への影響

 〔4〕フッ素の摂取量と血中濃度、骨への蓄積、排泄

 〔5〕NTP 報告以前のフッ素の反復毒性(亜急性〜慢性毒性)の特徴

 〔6〕NTP報告毒性試験のフッ素用量

 ――慢性毒性の検索を人の上限〜2倍でしか実施していない――

  (1) 14 日間の毒性試験(長期試験のための予備試験)
  (2)6カ月毒性試験のフッ素投与量と吸収量の推定

 〔7〕NTP報告毒性試験の結果

  (1)マウス6カ月毒性試験
  (2)ラット6カ月毒性試験
  (3)マウスとラットの所見が異なる理由

 〔8〕2年間の慢性毒性試験における、血中濃度、吸収量、発癌以外の所見について

  (1)一般的な変化
  (2)生存(総死亡)への影響

 〔9〕フッ素の遺伝子への影響

【Bー2】う歯発生に対するフッ素化の予防効果

 〔1〕NHS-CRD 報告の検討項目

 〔2〕NHS-CRD 報告の研究方法

 〔3〕NHS-CRD 報告のう歯予防効果に関する検討結果

 〔4〕小児のう歯と親の社会階層、時代の変化

【Bー3】斑状歯

 〔1〕NHS-CRD 報告のまとめ

 〔2〕日本における状況の考察

 〔3〕う歯防止効果と斑状歯の害との関連

【Bー4】骨折および骨の発達異常

【Bー5】発癌性について

 〔1〕発癌性に関する動物実験

  (1)NTP 報告(National Toxicology Program 1990)
  (2)Ad Hoc報告3)による解釈(報告書Appendix-D)
  (3)Procter and Gamble社の発癌実験
  (4)牛にフッ素を投与した毒性試験
  (5)総合的に見て

 〔2〕フッ素と癌発生に関する疫学調査

  (1)Ad Hoc報告中のHoover報告(1990)以前の研究および、レビュー報告
  (2)Ad Hoc報告(1991年)中の Hoover ら (NCI)による報告 (1990)
    1)Hoover報告(1991年)の方法
    2) Hoover 報告の結果 1. 骨肉腫および全骨関節癌について
      1. 骨肉腫および全骨関節癌について
      2. 口腔・咽頭癌について
      3. 腎癌腎盂癌
      4. 大腸直腸癌
      5. 非ホジキン悪性リンパ腫
      6. 肺および気管支癌
      7. 全部位の癌
  (3)Cohn(1992年)の報告

 〔3〕NHS-CRD 報告の「癌」に関するまとめと、その問題点

  (1)NHS-CRD 報告 2)の「癌」に関するまとめ
  (2)NHS-CRD の問題点
    1)Hoover報告の取り扱いについて
     1. まず非曝露地域と曝露地域で罹患率(死亡率)の差の有無を検討すべき
     2. トレンド分析でもいくつかの部位で有意である
     3. 用量−反応関係を検討する際の「用量」には、曝露量を用いるべきである
     4. 疫学調査中、最大規模で最も精度の高い調査と考えられる
     5. 口腔咽頭癌や骨肉腫など動物実験との整合性のある癌との関連を考察していない
    2)その他
     1. 骨肉腫の疫学調査における関連の方向性に関して
     2. Cohn(1992)報告の評価に関して

 〔4〕日本における疫学的調査

 〔5〕フッ素と発癌との因果関係についての総合的検討

  (1)医学的(疫学的)因果関係の一般的な証明の条件
  (2)フッ素と発癌に関する因果関係について
    1) 時間的な関連性
    2) 関連の一致性
    3) 関連の強固性
    4) 関連の一貫性

 〔6〕フッ素と発癌との関連についてのまとめ

【Bー6】遺伝毒性、染色体異常、ダウン症、その他奇形、出生異常等

 〔1〕遺伝毒性、染色体異常

 〔2〕ダウン症

   (1) NHS-CRD報告のまとめ
   (2) NHS-CRD報告の問題点(特に評価対象とした論文の証拠力の評価方法に関して)
     1)有効性評価よりも害作用の評価のエビデンスレベルを高くとるべきではない
     2) Rapaport 論文と Erickson 論文のエビデンスレベルの点数
     3) Rapaport 論文と Erickson 論文の交絡因子の扱いについて
     4) Rapaport 論文と Erickson 論文の用量−反応関係について
     5)総合的にみた Rapaport 論文と Erickson 論文の証拠力評価について
   (3)Rapaport論文と Erickson 論文の内容的評価について
     1)Rapaport報告(1963 年) についての検討
     2)Erickson報告の検討
     3)Erickson報告の問題点

【Bー7】総死亡、その他死亡率への影響

 〔1〕NHS-CRD のまとめと疫学調査

 〔2〕動物実験の結果

 〔3〕他の性質をも考慮して検討すると

 〔4〕総合的にみて

【Bー8】結論

【C. まとめ】

 〔1〕う歯の世界的な減少傾向について

 〔2〕フッ素添加による、う歯減少効果

 〔3〕う歯と社会階層の関連

 〔4〕歯フッ素症(斑状歯)とフッ素

 〔5〕フッ素化の骨への影響

 〔6〕変異原性および染色体異常について

 〔7〕フッ素化と発癌性について

 〔8〕ダウン症とフッ素化

 〔9〕死亡率への影響

 〔10〕結論

【D. 添付文献】

 薬害オンブズパースン会議から研究委託を受けた「う歯予防を目的とした水道水へのフッ素添加の有効性と危険性に関する文献的調査研究」に関して、報告をいたします。

 この目的を達成するためには、最も系統的な研究がなされている「う歯予防を目的とした水道水へのフッ素添加の有効性と安全性(危険性ないしは害)」を中心に、世界中でこれまでに実施されたフッ素の有効性と害に関する調査研究文献を、できる限り広く収集し、その調査研究方法のエビデンスのレベルを評価したうえで、それらのデータを分析し、日本の自然の状態で摂取するフッ素の量と、水道水や他の手段によりフッ素を添加した場合に摂取する合計のフッ素量から予測される効果と危険性のバランスを検討する必要があると考えた。


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